墨田区横網1丁目/リノベーションプロジェクト
今回は、江戸文化と水辺の風情が残る街「墨田区横網1丁目」に位置する築13年中古マンションのリノベーションをレポートしていきます。

1.地域情報
・横網 名前の由来
「横網(よこあみ)」という地名は、江戸時代に隅田川で行われていた漁業の風景に由来するといわれています。当時この周辺では、漁に使った網を川沿いに横へ広げて干す様子が見られ、その様子から「横に広げた網」=「横網」と呼ばれるようになりました。

今昔マップon the webより作成
・地域の歴史
両国エリアは、江戸時代に 両国橋が架けられたことをきっかけに発展した街です。周辺には見世物小屋や芝居小屋、茶屋が立ち並び、江戸有数のにぎわいを見せる行楽地として多くの人々が訪れました。
また、火災や災害の犠牲者を供養するために建立された 回向院では勧進相撲が行われ、現在の相撲文化へとつながっていきます。
現在でも両国国技館を中心に相撲の街として知られ、隅田川 の水辺や公園とともに、歴史と文化を身近に感じられる街並みが残されています。

・鉄道の歴史
両国エリアの発展には、鉄道の存在も大きく関わっています。明治時代には現在のJR総武線の前身となる路線が開通し、両国駅 は東京東部の交通拠点として発展していきました。
当時は貨物輸送の拠点としても重要な役割を担い、隅田川の水運と結びつくことで、周辺には倉庫や商業施設が集まり街の発展を支えました。
その後、JR総武線の整備や 都営地下鉄大江戸線 の開通により、都心へのアクセスに優れたエリアとして発展。現在では、歴史ある相撲の街としての文化を残しながら、利便性の高い住宅地としても人気を集めています。

■「両国駅」からJR中央線・総武線で「東京駅」まで約15分
■「両国駅」からJR中央線・総武線で「新宿駅」まで約20分
■「両国駅」から都営大江戸線で「新宿駅」まで約30分
・これからの墨田区
墨田区では、将来を見据えたさまざまなまちづくりの取り組みが進められています。交通インフラの整備や駅周辺の再開発など、今後の発展が期待される計画がいくつも検討されています。
地下鉄8号線(有楽町線)の延伸計画
注目されているのが、東京メトロ有楽町線の延伸計画です。いわゆる地下鉄8号線として、豊洲から住吉方面へ延伸する構想が進められており、2030年代半ばの開業が予定されています。開業すれば都心や湾岸エリアへのアクセス向上が期待され、墨田区周辺の交通利便性はさらに高まる可能性があります。

錦糸町まちづくりビジョン
墨田区の中心的なターミナルである錦糸町駅周辺では、「2040年の錦糸町」として将来の街のあり方が検討されています。駅周辺の回遊性向上や都市機能の充実などを通じて、商業・文化・居住が調和した魅力ある街づくりを目指しています。

墨田区ホームページより引用
このように墨田区では、交通利便性の向上とともに、各エリアの個性を活かしたまちづくりが進められており、今後も暮らしやすい街として発展していくことが期待されています。
・周辺施設
両国国技館
両国を象徴する施設として知られる両国国技館は、大相撲本場所の開催地として全国的にも有名なスポットです。本場所の時期には多くの観客が訪れ、街全体が相撲の熱気に包まれます。イベントやコンサートなども開催されるなど、地域のランドマーク的存在となっています。

隅田川
東京を代表する河川のひとつである隅田川は、両国エリアのすぐそばを流れています。川沿いには遊歩道が整備されており、散歩やジョギングを楽しむ人の姿も見られます。水辺ならではの開放的な景観を身近に感じられる点も、このエリアの魅力のひとつです。

すみだ北斎美術館
浮世絵師・葛飾北斎の作品や生涯を紹介する美術館で、墨田区を代表する文化施設のひとつです。印象的な外観の建物も特徴的で、国内外から多くの来館者が訪れています。芸術や文化を身近に感じられるスポットとして親しまれています。

2.物件情報
・立地
歴史と自然、そして文化施設が調和する両国エリアに位置する本物件。徒歩圏内には、江戸時代に大名庭園として整備された日本庭園「旧安田庭園」があり、また「横網町公園」も身近に位置しています。都心にいながら緑を感じられる環境が広がり、静かな時間を過ごせる憩いの場として親しまれています。

JR両国駅に直結する「両国江戸NOREN」では、江戸の町屋をイメージした空間の中に飲食店や土産店が集まり、食事や買い物を気軽に楽しむことができます。

このように、歴史ある庭園や公園、文化施設が身近にそろう落ち着いた住環境が、本物件の大きな魅力です。
・物件の特徴
「両国エリアでも高級感のあるレジデンスとして知られるマンション」
江戸文化が残る両国の街並みに調和するよう、グレーを基調とした落ち着いた印象の外観です。和の趣を感じさせるデザインを取り入れた、風格ある佇まいが特徴です。

エントランスホールは、木の温もりを感じるルーバー天井が印象的な落ち着いた空間です。間接照明の柔らかな光が空間全体を包み込み、上質で穏やかな雰囲気を演出しています。
壁面には重厚感のある素材が用いられ、ホテルライクで洗練された共用空間が広がっています。

敷地の後方には駐車場や駐輪場が整備されており、日々の生活を快適に支える設備が整っています。

ポストや宅配ボックスも美しく整理された空間に設けられており、共用部全体に行き届いた管理体制が感じられます。

また、住戸からの眺望も大きな魅力です。
開放感のある景色の先には東京スカイツリーを望むことができ、都心にいながらも視界の抜けを感じられる贅沢なロケーションが広がります。

・物件概要
所在地:東京都墨田区横網1丁目
交通:JR中央・総武線「両国」駅徒歩6分/都営大江戸線「両国」駅徒歩4分
構造:鉄筋コンクリート造陸屋根14階建
総戸数:52戸
専有面積:72.04㎡
築年月:2012年2月
・間取り図<Before>

・室内写真<Before>




3.プランニング(4月21日更新)
・コンセプト
~両国で“最も価値のある一室”を目指した、最上階・角部屋の特別な住まい~

以前から注目していた横網エリアを象徴するマンションの一室。
その中でも、希少性の高い最上階・角部屋を活かしたリノベーションプロジェクトです。
エリアの特性や将来性を踏まえ、「価値を理解できる方に向けた一邸」として、両国エリアでトップクラスの住戸を目指して企画しています。
本住戸では、「誰がどのように使うか」を明確に設定し、それに基づき空間・仕様のすべてを再構築していきます。
・リノベーション担当者の声と施工工事
POINT1. 間取り変更|3LDKから2LDKへ、リビング中心の空間設計

この住戸の最大の特徴は、間取りの再構築です。
もともとの3LDKプランを、あえて2LDKへと変更。ファミリー向けではなく、ご夫婦2人での居住やセカンドハウス利用を想定し、「リビングで過ごす時間」を最も重視した設計としています。
そのため、リビングは面積を大きく確保し、住まいの中心となる空間へ。
居室は2部屋に絞りながらも、それぞれに収納を設け、さらにLDKには大型収納を配置することで、生活感を抑えたゆとりある住空間としています。

また、もともと天井高は約2.6m、躯体ベースでは約2.9mとポテンシャルの高い構造でした。
その高さを活かし開放感のある空間へと仕上げていきます。
単なる間取り変更ではなく、「どこでどう過ごすか」を再定義したプランニングです。
POINT2. キッチン移設|空間の広がりを優先したレイアウト

水回り全体の大きな位置変更は行わず、キッチンのみを従来位置から反対側へ移設していきます。
もともとバルコニー側にダクト経路があり、そのままでは天井に大きな下がりが生じ、空間の広がりを損ねる状態でした。
そこでダクト経路を見直し、配置を調整することで、下がり天井の影響を抑えたすっきりとした空間へと整えていきます。

キッチンの位置と設備計画を工夫することで、天井ラインが整い、視線の抜けを確保。
リビング全体に広がりを感じられる、開放的な空間へと再構築していきます。
POINT3. 仕様グレード|空間全体の質を引き上げる最上位仕様

LDKを一体の空間として捉え、その中でキッチンや内装すべてにおいてグレードを引き上げていきます。
キッチンはLIXILの最上位グレードを採用し、幅2.7mの大型サイズを設置。面材や天板、水栓、設備機器に至るまで細部を選定し、落ち着きのある色調で空間全体をコーディネートしていきます。
さらにカップボードも同仕様で揃え、空間としての一体感を高めていきます。

天井高は、居室・廊下で約2.6m、LDKの折り上げ天井部分で約2.75mを確保。この高さに対応するため建具も特注サイズとし、必然的に上位グレードとなります。
仕上げ材には、タイルやエコカラットを使用し、質感を高め、洗面室は動線を見直すことで収納力も向上させていきます。
コストバランスよりも空間価値を優先し、細部までこだわり抜くことで、完成度の高い住戸へと仕上げていきます。
・間取りBefore/After(予定)

間取り・空間設計・仕様のすべてにおいて一貫した思想のもと、この住戸ならではの価値を最大限に引き出すリノベーションを進めていきます。
4.解体/施工工事(5月18日更新)
・解体工事
解体工事がスタートし、室内は壁・床・天井を撤去したスケルトン状態となりました。
解体工事では、現地の状況に応じて当初のプランを見直すケースもありますが、今回のマンションは築年数が比較的新しく、さらに分譲主である大京らしい丁寧な施工がされていたこともあり、図面との大きな乖離や大きな想定外もなく、事前の計画通り順調に工事が進んでいます。

今回の住戸で特徴的なのが、建物形状に合わせた“斜めの構造”です。
外観の一部がアーチ状になっているため、一部の柱や梁(ハリ)も斜めに配置されており、それに合わせて天井の梁形状もつくられています。

一方で、分譲時の設計では、窓との納まりや空間全体のバランスを整えるため、実際の構造よりも梁を大きく見せている箇所も見受けられました。
そこで今回のリノベーションでは、解体後に実際の構造位置を確認しながら、梁のサイズや形状を見直し、できる限りすっきりとしたラインへ調整していきます。

数センチ単位の細かな変更ではありますが、天井面の圧迫感を軽減することで、空間全体をより広く感じられるよう計画していきます。
また、解体後にはダクトの経路についても現地で改めて確認を行いました。
今回の計画では、このダクト経路を踏まえてキッチンの配置を見直すことで、天井の下がりを抑え、より伸びやかな空間を目指しています。

図面上では分からなかった細かな納まりも、解体後に現地確認を行うことで最適化できるのが、リノベーションの面白さです。
もともと天井高にゆとりのある住戸ですが、今回はさらに視覚的な開放感を高めるため、こうした細かな梁形状や天井ラインまで丁寧に見直しています。
こうした細部の積み重ねによって、図面だけでは伝わらない“空間の質” を高めていきます。
・枠組み工事~壁立ち上がり(5月30日更新)
解体工事を終え、現在は壁や天井の下地を組み上げる「壁立ち上がり工事」まで進んでいます。
ここまで大きな変更やトラブルもなく、工事は順調に進行しています。
解体時に確認していた梁(ハリ)の形状も、現地で細かく調整を進めています。
もともと大きく見えていた梁部分については、実際の構造を確認しながら見直しを行い、当初よりもすっきりとした納まりになってきました。

また、室内で目立っていたダクト経路についても整理を進めています。
天井ラインを整えることで、室内全体の圧迫感を軽減し、より開放感のある空間へ調整しています。

さらに、今回のリノベーションで特徴的な「折り上げ天井」の形状も少しずつ見えてきました。
壁立ち上がり工事の段階でも、天井の高さやラインの変化が分かり、完成後の開放感も感じられる状態になってきました。
特にLDKは、もともとの天井高を活かしつつ、梁や天井ラインを整理することで、実際の面積以上に広がりを感じられる空間を目指しています。

図面だけでは伝わりにくかった空間の立体感も、現場では少しずつ形になってきています。
5.施工完了(7月10日更新)
・完成イメージ
これまでご紹介してきたプランや施工内容が、実際にはどのような住空間になるのか。
完成写真をもとにAIで家具を配置し、暮らしをイメージしやすい空間として表現しました。

・室内写真<After>
「両国で“最も価値のある一室”を目指した、最上階・角部屋の特別な住まい」がついに完成しました。
立地や眺望、建物のポテンシャルを最大限に活かし、細部までこだわり抜いた住空間へと生まれ変わっています。
✓ リビングを主役にした開放的な住空間
3LDKを2LDKへ変更し、部屋数よりも空間価値を優先した、ご夫婦二人でゆったり暮らすことを想定した間取りへと生まれ変わりました。
LDKは16.5帖を確保し、食事やくつろぎ、ゲストを招く時間まで、一日の大半を快適に過ごせる住まいの中心となる空間へ。
さらに、折り上げ天井を採用することで視線が上方向へ抜け、もともと約2.6mある天井高をより高く感じられる設計としました。
また、角部屋ならではの2面採光による豊かな自然光と、最上階ならではの眺望によって、実際の面積以上の広がりを感じられるLDKに仕上がっています。

✓ キッチン位置を見直し、空間の質を高めたLDK
今回のリノベーションでは、キッチン位置を見直したことで、天井ラインがすっきりと整い、LDK全体の開放感が大きく向上しました。

さらに、解体後に実際の構造を確認しながら梁形状も細かく調整。設備やデザインを新しくするだけではなく、図面だけでは分からない細部まで丁寧に見直すことで、空間全体の質を高めています。
折り上げ天井との組み合わせにより、視線が自然と奥へ抜ける開放的なLDKが完成。天井ラインの美しさが空間全体にゆとりを生み、実際の面積以上の広がりを感じられる住まいとなりました。
✓ デザインと機能性を両立した最上級仕様
LDK全体を一つの空間として捉え、キッチンをはじめ内装や素材まで細部にこだわりました。
キッチンにはLIXILの最上位グレード・幅2.7mの大型キッチンを採用。ワークトップや面材、水栓、設備機器まで丁寧に選定し、カップボードも同仕様で統一することで、空間としての一体感を高めています。収納力も十分に確保しているため、調理器具や家電をすっきり収納でき、生活感を抑えた美しいキッチン空間を実現しました。

また、TV背面 ・キッチン背面・トイレにはエコカラットを施工。調湿・脱臭効果が期待できるだけでなく、壁面に上質なアクセントを加えることで、空間全体の高級感をより一層引き立てています。
さらに玄関・廊下・洗面室の床にはタイルを採用。素材感のある仕上がりが住まい全体に統一感と上質さをもたらし、ホテルライクな空間に仕上げました。

✓ 暮らしやすさを考えた収納計画
LDKに隣接して設けたウォークインクローゼットは、衣類だけでなく季節家電やスーツケース、日用品のストックなどもまとめて収納できる十分な広さを確保しました。
必要な物を一か所に集約できるため、居住スペースをすっきりと保ち、ホテルライクな空間を維持しやすい間取りとなっています。

また、洗面室も動線を見直すことで収納力を高め、タオルや日用品、ストック類をすっきり収納できる設計としています。
一方で、各居室の収納は必要最低限に抑え、その分LDKや共用収納を充実させることで、ご夫婦二人暮らしに合わせた無駄のない収納計画を実現しました。
収納を適材適所に配置することで、生活動線がスムーズになり、居住スペースをすっきり保てる、機能性と空間の美しさを両立した住まいに仕上がっています。

・担当者インタビュー
― 完成した住まいをご覧になって、率直な感想を教えてください。
イメージしていた通りの仕上がりになりました。
同じ面積でもより広く感じられる住まいを目指して設計を進めてきましたが、完成してみると想像以上に伸びやかで、心地よい空間になったと感じています。
― 今回、特にこだわったポイントはどこでしょうか。
一番こだわったのは、平面的な間取りではなく「空間の見え方」です。
折り上げ天井によってLDKの天井高を最大約2.75mまで確保し、キッチンの配置や梁の形状、天井ラインまで細かく調整し、図面だけでは伝わらない開放感や居心地の良さを追求しました。
― 工事を振り返っていかがでしたか。
今回はスケルトンから全面的に工事を行いましたが、大きなトラブルや想定外もなく、とてもスムーズに進みました。
築年数が比較的新しく、マンション自体の施工精度も高かったため、図面との大きな違いもほとんどありませんでした。
その分、梁の見せ方や天井ラインなど、細かな部分まで丁寧に調整できたことが、完成後の空間の質につながったと思います。
― 完成してみて一番気に入っているところは?
やはりLDKですね。
リビングを住まいの中心と考え、その空間にふさわしい設備や素材を一つひとつ選びました。
キッチンやタイル、エコカラットなどを空間全体で統一することで、これまで手掛けた住戸の中でも特に品のある仕上がりになったと感じています。
― この住まいをどんな方に届けたいですか。
ファミリー向けというよりも、ご夫婦お二人でゆったりと暮らしたい方や、広さだけではなく空間の質や眺望、設備のグレードに価値を感じていただける方に、ぜひご覧いただきたい住まいです。
最上階・角部屋という希少性に加え、「ザ・ライオンズ両国」が持つポテンシャルをさらに引き出した一邸になったと思っています。
(担当:リノベーション事業部)
・フォトギャラリー







最後までご覧いただき、ありがとうございました。
「ザ・ライオンズ両国」のリノベーションでは、物件のポテンシャルを最大限に引き出し、空間の質にこだわった住まいづくりを行いました。
これからも、一邸一邸の魅力を活かしたリノベーション事例をお届けしてまいります。